属人化を解消する方法
中小企業が仕組み化で「人に頼る仕事」を減らす手順
「この件は○○さんに聞かないと分からない」「ベテランが休むと仕事が止まる」。社員が5人でも50人でも、多くの会社で起きているのが属人化です。この記事では、属人化が起きる原因と、中小企業が大がかりなシステムを入れずに今日から始められる解消の手順を、弊社が実際につくっている仕組みの画面とあわせて説明します。
属人化とは
属人化とは、仕事のやり方や情報が特定の人の頭の中や手元のファイルにだけあり、その人がいないと仕事が進まない状態のことです。反対に、誰が担当しても同じように仕事が回る状態を、ここでは「仕組み化」と呼びます。
属人化が起きる3つの原因
- 情報の置き場所が決まっていない:顧客の情報は個人のExcel、進み具合はLINE、手順は頭の中、と人ごとに違う場所にある。
- 手順が言葉になっていない:「見て覚える」「聞いて覚える」で教えてきたため、書いたものがない。
- 忙しくて整理する時間がない:今日の仕事を回すのに精一杯で、仕組みにする時間が後回しになる。
放っておくと起きること
- 担当者が休む・辞めると仕事が止まる:請求、入金の確認、お客様への連絡が、その人が戻るまで進まない。
- 社長が確認役から抜けられない:状況を知るたびに担当者に聞くので、社長の時間が確認で消える。
- 新人が育たない:教える人の手が止まり、新人は質問しづらく、覚えるまでに時間がかかる。
- 人を増やしても楽にならない:教える人と確認する人の負担が増えるだけで、会社は大きくならない。
解消する5つの手順
手順1:仕事を書き出す(棚卸し)
まず、毎日・毎週・毎月くり返している仕事を書き出します。「誰が」「何を見て」「何をして」「誰に渡すか」の4つを、1つの仕事につき1行で書くだけで十分です。書き出すと、同じ情報を何度も書き写している所や、1人しか分からない所が見えてきます。
手順2:止まると困る仕事から選ぶ
全部を一度に変えようとすると続きません。「その人が休むと止まる」「お客様に迷惑がかかる」仕事から1つ選びます。多いのは、請求と入金の確認、案件の進み具合、予約や顧客の情報です。
手順3:情報の置き場所を1か所にする
選んだ仕事の情報を、全員が同じ画面で見られる1つの台帳に集めます。Excelでも始められますが、スマホで見る・更新する・通知を受けるところまで考えると、Lark(ラーク)のようなツールが向いています。

案件の段階を列にして並べると、担当者に聞かなくても「いまどこにあるか」が分かるようになります。つくり方は工務店・塗装会社の案件管理をExcelからLarkへで詳しく説明しています。
手順4:手順を短いマニュアルにする
次に、その仕事の手順を書いたものを、台帳と同じ場所に置きます。長い文章は読まれないので、1つの手順を5〜10行ほどにまとめ、画面の写真を1枚添える程度で十分です。新人は分からないとき、まず検索して自分で調べられるようになります。

手順5:決まった連絡は自動にする
「期限の前日に知らせる」「問い合わせが来たら担当者に知らせる」といった決まった連絡は、人が覚えておく必要がないように自動にします。覚えておく仕事が減るほど、属人化は起きにくくなります。
AIは属人化の解消に使えるか
使えます。ただし、文章をつくるだけのAIでは解消しません。役に立つのは、会社の台帳やマニュアルを読んで、決まった仕事を受け持つ形にしたときです。弊社では、次のような使い方を実際に業務で動かしています。
- 新人の質問に答える:社内のマニュアルをもとに、根拠のページを示して答える。書いていないことは推測で答えない。
- 予定と移動の登録:届いたメッセージのスクリーンショットから、日時・場所・移動時間を読み取ってカレンダーに入れる。
- 訪問先の下調べ:エリアを伝えると、公開されている情報を調べて相性の良い順に並べる。
実際の画面はAI社員の活用事例でご覧いただけます。AIに任せる場合も、お金・お客様への連絡・最終の判断は人が確かめる形にしておくことが大切です。
うまくいかない進め方
- いきなり大きなシステムを入れる:今の仕事の流れと合わず、結局Excelに戻る。
- 担当者だけに任せる:忙しい本人に整理まで任せると、後回しになって終わる。
- 完璧なマニュアルを目指す:つくるのに時間がかかり、できたころには古くなっている。
小さく始めて、使いながら直すのがいちばんの近道です。
よくある質問
属人化を解消するのに、どのくらい時間がかかりますか?
ベテラン社員が協力してくれません。
Excelのままでは解消できませんか?
今の仕事の流れを伺い、属人化している所と、始める順番を一緒に整理します。福岡県内は訪問、県外はオンラインで対応します。

案件ボード(サンプル)