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中小企業のAI活用事例
文章づくりで終わらない、仕事を任せるAIの使い方

公開:2026年10月20日執筆:清水 直也(シクミカプラス+ 代表)

「AIを契約したけれど、使っているのは社長だけ」「メールの文章をつくる以外に使い道が分からない」。中小企業のAI活用で、いちばん多いご相談です。この記事では、弊社の業務で実際に毎日動いているAIの事例を、画面つきで紹介します。どれも特別な大企業向けのものではなく、少人数の会社で動かしている仕組みです。

AI活用の3つの段階

段階できることよくある状態
1. 文章をつくるメール・広告・SNSの文章、要約、言い換え多くの会社がここで止まる。使う人が限られる
2. 調べてまとめる公開されている情報を調べて、決まった形のレポートにする頼み方が人によって違い、結果がばらつく
3. 仕事を受け持つ会社の台帳・マニュアル・カレンダーとつながり、登録や回答まで進める会社ごとに仕組みをつくる必要がある

仕事が減るのは、3つめの段階からです。弊社では、この段階のAIを「AI社員」と呼んでいます。以下の事例は、どれもこの段階のものです。

事例1:予定と移動時間の自動登録(AI秘書)

届いたLINEのスクリーンショットをチャットで送ると、AIが日時とお店を読み取り、最寄り駅と移動時間を調べて、カレンダーに「会食」と「移動」の2件を登録します。社長が移動の合間に予定を打ち込む手間がなくなりました。

AI秘書の返信(実際の画面)
AI秘書の返信。会食と移動の予定を登録したこと、場所、最寄り駅、車での所要時間と出発時刻

流れの詳しい説明はAI秘書とは?できること・使い方にまとめています。

事例2:訪問先の調査と優先順位づけ(営業リサーチAI)

「小倉南区で相性のいいお店を30件」とチャットで送ると、AIが公開されている情報(地図・予約サイト・公式サイト)を実際に開いて調べ、社内の営業台帳にすでに載っているお店を外したうえで、相性の良い順に並べます。お店ごとに、点数の根拠、すでにできていること、最初にかける一言まで返します。

営業リサーチAIのレポート(実際の画面・店名などはぼかし)
営業リサーチAIのレポート。台帳に載っている13店を外し、まだ誰も入っていない地区に振り直して30件そろえたこと、1位の相性度92点
このAIは、確かめられなかったことを「無い」とは書かず「確認できなかった」と書くように決めています。営業担当は、何を現地で聞けばいいかが分かります。

事例3:新人の質問への回答(新人教育AI)

社内のマニュアルや研修資料をもとに、新人の「この場合どうしますか」に答えるAIです。資料に書いていないことは、推測で答えないようにしています。先輩が手を止めて同じ説明をくり返す時間が減ります。

事例4:お店の数字の分析(経営分析AI)

サロンの売上・予約・顧客の台帳を読み、「今月の売上は目標に届きそう?」といった質問に、前月との比較つきで答えるAIです。数字はAIに作らせず、台帳の値をプログラムで計算して使います。一人でお店を回しているオーナーの相談相手として、サロンで動いています。

始め方

  1. 毎日くり返している「調べる・まとめる・記録する」仕事を書き出す:予定の登録、下調べ、報告のまとめ、よくある質問への回答など。
  2. 1つ選んで、AIが読む情報を決める:どの台帳・どのマニュアル・どのカレンダーを読むか。
  3. 人が確かめる所を決める:お金・お客様への連絡・最終の判断は人が持つ。
  4. 小さく動かして直す:1〜2週間使い、読み間違いや足りない情報を見ながら仕組みを直す。

気をつけること

  • AIに入れない情報を決める:お客様の個人情報など、入れてはいけない情報の社内ルールを先につくります。
  • 数字はAIに作らせない:売上や件数は台帳の値を使い、計算はプログラムで行います。
  • 勝手に送らせない:お客様への連絡は下書きまでにして、送るかどうかは人が決めます。

社員がAIを使いこなすための研修については、中小企業のAI研修は何から始める?で説明しています。

よくある質問

社員が数人の会社でも、AIを活用する意味はありますか?
あります。人数が少ない会社ほど、一人がしている「調べる・まとめる・記録する」仕事の割合が大きく、AIに任せたときの効果を感じやすくなります。
ChatGPTなどを契約するだけでは足りませんか?
文章をつくる・調べるといった使い方なら、それで十分なこともあります。会社の台帳やカレンダーとつないで、登録や回答まで任せたい場合は、会社ごとに仕組みをつくる必要があります。
費用はどのくらいかかりますか?
任せる仕事の数と、つなぐ台帳やツールによって変わります。いちばん手間が減る仕事1つから小さく始めることもできます。無料相談で内容を伺い、おおよその目安をお伝えします。
文章づくりで終わらない、仕事を任せるAIを。

今の仕事の流れを伺い、AI社員に任せられる仕事と始める順番をご提案します。福岡県内は訪問、県外はオンラインで対応します。

清水 直也
清水 直也(しみず なおや)シクミカプラス+ 代表。福岡県を拠点に、Larkを使った店舗・中小企業の業務の仕組み化と、口コミ集客サービス「クチコミ+」の開発・運営を行っています。